広報誌 翠の輝(みどりのかがやき)コメントより

2022.04.01.

令和4年度が始まり、桜の開花の知らせが届き心躍る時期ですが、収束の目途の立たない新型コロナウイルスや異常気象(地震・豪雨・豪雪等)とさらに拍車をかけるようにロシアのウクライナ侵攻の影響で、現在、原油の値上げからガソリンや電気料金はじめあらゆる物が4月から値上がりし、私たちの生活に支障をきたしています。先行きが見えない状況で不安視する人も多いですが、この2年以上のコロナ禍でウイルスの変異株のように、生活が変化して得られたことも多かったと思います。他の動物にはない人間の智恵と探求(好奇心)をフル活用して必ず乗り切って行けるのではないかと思っています。

また、世の中では、ソーシャルディスタンスをとる為オンライン授業やWEB会議があたり前になってきていますが、マスク無しの以前のような日常がどれほど私たちにとって尊いものであったのか気づくとともに、何気ない日々のコミュニケ―ションを見直す機会にもなっています。当施設ご利用者の多くは介護度③以上で認知症を発症している方が殆どです。よってコミュニケ―ションは言葉だけでなく非言語的コミュニケーション(言葉以外の伝達手段を使いメッセ―ジを発信したり受信したりすること)が介護の援助場面では重要になっています。アメリカの心理学者メラビアンは、対人場面において相手に与える影響は視覚情報が55%、聴覚情報38%、そして言語情報が7%という法則を見出しました。つまりこの法則では相手に対する印象は話す内容に関わらず、表情やしぐさ、話し方などの非言語によって9割がきまるのです。さらに第一印象は出会って最初の数秒で決まると言われています。マスクで顔の半分は見えていない状況でいかにコミュニケーションをとって良好な人間関係を築いていくのか、介護現場のみならず、これからの私たちの皆の課題でもあります。以前3Ⅾ映像で目の前に遠くの知人が表れて会話できるテレビ番組を見ました。今後、そのような未来が待っているのかもしれませんが、今は兎に角、足元をしっかりと見ながら、日々変化する大量の情報に惑わされず、地に足をつけて生活していきたいものです。
社会福祉法人慈豊会  山翠苑施設長   水島 尚子

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