広報誌 翠の輝(みどりのかがやき)コメントより

2023.07.01.

いささか旧聞な話で恐縮ですが2018年8月には広島市で、2021年7月には熱海市でいずれも新興住宅地が気候変動で発生した線状降水帯による集中豪雨で大規模な土砂災害に見舞われ壊滅的被害を被り、さらに両市合わせて105人もの犠牲者を出しました。国はこれらの災害を教訓に全国を対象に土砂災害ハザードマップを整備し、老人ホームのような公共施設が行う土砂災害予防工事への補助金制度を創設しました。
福井のハザードマップによると山翠苑の裏山が土砂災害警戒区域に色分けされたので、苑では早速専門業者に相談し重力式擁壁の設置が最も効果的対策であることを知り、その設置計画に取り掛かり同時に県に対しては補助金の申請をして参りました所、幸いにも2024年度事業として認可を受けることができました。早速8月完成を目途に4月から工事に取り掛かりました。
この重力式擁壁とは苑の建物と山が向き合っている長さ70mにわたって底辺の厚さが3m上辺の厚さが1.25mの山側に向かって傾斜した片屋根型の辺を持つ高さ3mのコンクリートの基礎部分の上に高さ2mの鉄製の頑丈な落石防止柵を設けているという物で地上からの高さは5mにもなります。
これでひとまずは皆様に安心していただけると思っていますし、施設全体が高台にありますので水害の心配はありませんが、ほかにも自信や豪雪時の停電や道路の遮断による食料と生活物資の搬入が妨げられたりと様々な非常時に備えて皆様の生活にご不便やご不安を与えることのないようできる限りの努力をして参りますので、いっそうのご理解を賜りますようお願い申し上げます。
社会福祉法人慈豊会  監査役  田中 英幸

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